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末期日記新装版
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鉄の隅から今日は。
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「…」
「何を惚けておるかー!」「…何もする気になりません…」離婚届けをつきつけられまして…
「なら、なに悠長に寝こけてる!」さっさと迎えに…「…ですが婚姻届けを出した覚えはないのです…」
「…?結婚していないのに離婚するのか?」おかしな話だのう。
「…おかしな話なのです…」
「で?なんでそんなおかしな話になったんじゃ」
「上越に…」
「お前のハイカラな同僚さんか」
「自分と兄さんとが崖から落ちそうになっていたらどちらを先に助けるかと聞かれたので…」兄さんを先に助けると言ったのです。
「そうしたら、いきなり別れるこれに判を押せと言われまして…」
「それが離婚届けだったんか」で、お前は押したのか?
「婚姻届けに判を押した覚えもないのに離婚届けに判など押せません…」
「で?」
「そう言ったら、お前は情緒を解さない奴だと怒り出して…」そのまま地元に戻ったきり帰って来ないのです。
「俺は一体どうしたら…」「婚姻届けを出しとったら判を押したのか?」
「でも、出していませんでしたから…」たらればでもの事は判断すべきではないと…
「だー!このスカポンタン!わしは貴様の気持の事を聞いとるんじゃ!」
一般常識を聞いとるんじゃねぇ!
「そもそも貴様、どうしてワシが先なんじゃ!ワシはそんなに情けないか!」
「…そういう訳では無いのです。ただ…」上越は俺が先に兄さんを助けても上越を次に助けに行くまで持ち堪えてくれるに違いないと「信じているのです…」アイツはそんなにヤワではないと。
「…貴様がそこまで言うならそれはいいがの、だけんど一つ聞くがの」貴様が悠長にわしを助けとる間に他の誰かがその同僚さんを助けても「貴様は構わんのじゃろうな」
「それは…」
「例えば通りすがりの篠山が「いやです」」
「貴様がいやじゃとしても実際落ちかけていたら差しのべられた手を掴んで当然じゃろう。それとも何か?誰の手も掴まずに貴様が助けるまで待て言うのか?拒んで落ちろと言うのか?」「…助けます。絶対に」
「それまで待てと?それを貴様がその同僚さんに強制する権利が何処にあるんじゃ?」ただの同僚さんなんじゃろう?
「ただの同僚ではありません!」アレは俺の大事な…「でも、同僚なんじゃろが」
「…」
「今のまんまなら、一番大事でも二番目でも単に同僚のまんまじゃ貴様に他の誰かの手を取るなとは言えんわ!」それを言えるのは…「貴様の大事な同僚さんの特別な相手だけじゃ」
貴様じゃないなー
「なにせ、婚姻届けも出しとらん相手に離婚されかけたから言うて、なんで落ち込んどるのか自分で自分の気持もよう分からんようなヘタレじゃもんな貴様は!」そんな男、とてもあのハイカラな同僚さんの特別になんぞなれんわ!
「!」
「どこに行くんじゃ」
「…特別になりに行きます」
「そーかい、じゃあ一つ教えてやるがな」
婚姻届けもらうんは市役所じゃからな
「みどりの窓口じゃあ扱っとらんからな」
「…有り難うございます」「…アイツわしが教えんかったらホントにみどりの窓口行く気じゃったんか…」
同僚さんに申し訳ないなぁあんな弟で。
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