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末期日記新装版
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 さて、藤原ボイスの言う通り車を愛したお蔭かどうかは知りませんが、そのままうねうねとうねる峠道を上って行く事数十分、漸く何となく車と人がたむろっている場所にたどり着きました。
どうやらここが、ホントの目的地らしい。
やった—着いたー!
少々ガスが出て、空を覆っているけれど、お月様は見えるし、うん。何とかなるんじゃない?
うきうきと車を降りれば、辺りに街灯一つない空間は……

まっくら……

声はすれども姿は見えず、あちこちで若い子達が話す声はするけれど、どこに人がいるかは分からない。
閉め切った建物とかの”中”ならいざ知らず、こんな外でまっくら体験はもしかして……初めてかも。
ウチの辺りでも、帝国の田舎だ田舎だ言っていても街灯はちゃんと何十mおきにかは設置されている。人工の明かりの無い”夜”を見るのは初めてなんだ……

おおという歓声に、空を見上げる。どうやらぼけっとしてる間に一つ星が流れたらしい
ち、油断大敵じゃ!
「双子座流星群なんだから、双子座ですよね?どっちでしょう」
「オリオン座があっちだから多分、天頂方向のあの二つの星辺りだと思うんですけど……」
オリオン座は実に偉大である。どんな初心者でもこれだけは見分けられる。それを頼りに我々が、うろ覚えの知識をお互いに総動員して何となく見る方向を探している間にも、上がる歓声とため息。
こう言う時の為の星図ですよねー、持ってくれば良かったですねーと後悔しても後の祭り、とにかくポイントを決めて、見上げていると……

星が流れる前に、首と腰がいかれそう……

良く漫画なんかで、学校の屋上で天体観測するシーンはシート引いて寝転がってるけど…あれはこう言う時の為なんだと、もの凄く納得。

首と腰に手を当てて支えながら反っくり返るという変なポーズをとって頑張るうざき。町中でこんなポーズをとってる人がいたら間違いなく不審者で任意同行。しかし、ここはどうせ真っ暗、あっちも見えなきゃこっちも見えない。気にせずそのまま背筋の限界に挑戦していると……

あ!流れた!

天頂方向から左にはっきりそれと分かる流れ星!
わーい!
「願い事しました?」
……忘れてました。

次こそはと思いつつも、その後は暫くそれらしき物に当たらない。
「見えませんねー」
「細かく、見間違えかなーと思うようなのは見えるんですけどねー」

そんな事を話している間にガスが切れ、どんどん見える星の数が増えて行く。
満天とまでは言えない物の家の近所から見るのとは明らかに違う。3等は元より……5等もぎりぎり見えるんじゃないだろうか。
月は出ているが、上手く梢に隠れて光を遮っている。広々とした感じは無いがその所為なのだろう、お勧めスポットとして載っているのは。

見えた見えないと歓声が上がり、暫く話し合うとやがて誰もが黙り込み、じっと息をのんで空を見つめる気配。皆で待ち構えているとまた、歓声。

そんな事を見知らぬ皆で繰り返す。

面白い物で、見張っている場所には見えず、目をそらした瞬間に流れたりと流れ星は実に気まぐれ。
まるでどこぞのどなたかのよう。

暫くすると何とか、あ、流れた、あ、見そこねたなど言いながら、お互いに二三見られるようになった。

そして……

一つ、長く尾を引いた星が流れた後、すぐに

す、す、と少し短く並んで流れた星二つ。

「今の見ました?」
「見ました!双子ですよね!」

一つ流れた後を追いかけるように流れた星。
双子座流星群の双子の流星、まさに……

あの二人のよう。

「やりましたね!」
「やりましたよ!」

互いに手を叩き合って喜んだ。

他に見てる人がいたら何でこんなに喜んでるんだろうと不思議に思うかもだけど、
どうせ見えはしないのだ。
二人だけに分かる、理由を持って、私達は浮かれたように喜んだ。

そして……
「願い事しました?」
「忘れてました!」

ま、いっか。


その後も暫く見た見ないを繰り返し、いよいよ首が限界になって来た頃に急にガスが立ち上りどんど空を覆って暗い星から消して行く。最後に残ったオリオンが消えたとき……
「帰りましょうか?」
「帰りましょう」

双子の流れ星を手みやげに、半分の月に見送られ、私達は山を後に致しました。


さて、人里戻ってご飯を食べてわざわざ遠くまで送ってくれたT様とお別れした後、やれやれさえずるかとツイッタを覗くと……

なんだか、留守中に私が冬に出す物を決められていて驚いた。

……私どうすりゃいいの……

思わず目の前が真っ白になったうざきでございましたとさ。

お付き合い下さったT様、有り難うございました。



















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