末期日記新装版
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さて、皆様今日は。
遅れましたが昨日申し上げた小話をアプ致します。
こんな時に不謹慎かもしれませんが、でも日常というのは重要だと思うのです。
お怒りの方ご免なさい。
遅れましたが昨日申し上げた小話をアプ致します。
こんな時に不謹慎かもしれませんが、でも日常というのは重要だと思うのです。
お怒りの方ご免なさい。
「これは?」
上越は目の前の皿に盛られた黄土色のぷるぷるした物体を指差して聞いた
「カレーだ」
東北は黄土色の以下略を前にふんぞりかえると答えた。
「お前が好物くらい作れるようになれというから作ってみたんだ」
確かに上越は言った。自分はあーでもないこうでもないと文句をつけるこの男に腹立ちまぎれにそう
言った。しかし…
「誰がこんな不気味な物体を作れと言ったか!」
そのとおり
しかし、男は不思議そうに「不気味か?」
そう問い返すから、更に激した上越が
「そうだよ!こんな黄土色してぷよぷるしてさぁ!」と言い募ると
「そうか」
そういって少し考え込む仕草をすると…そこにあったゆで卵をちょんちょんと輪切りにしたのを二つ
のせ
「これなら可愛いだろう?」黄色いぷよぷよ
ぷるぷるした物体に卵の目玉がついたそれは確かに一世を風靡した落ちゲ―の勇に見えなくもない。
だがそれは相手の怒りに火に油を注ぐだけで…
「食べ物で遊ぶなって言っただろうが!」あとぷよぷよはもっとかわいい!
ぷよぷよに謝れ!
げいん!と頭をはったおされましたとさ
一方、こちらの最強彼氏を有し、食に一向困らないはずのBT様のところでは…
「東海道?」
こればなんね?
何やら黄土色がかったスープのような汁とご飯が盛られた皿を前に王様の料理人の筈である最強彼氏
は問いかけた。
「カレーだ」
王様は嬉しそうにふんぞり反ってそう宣った。
「お前が私の時代のカレーを食べてみたいと言っていたから作ってみた」
王様がそうおっしゃるのなら味噌汁とてカレーになろうしかし、
彼氏のイメージするカレーとかけ離れた物体を前にさすがの彼氏も沈黙する。
すると…
「い、今と違ってルーなどという便利な物はなかったのだ!」だからカレー粉からだな。
カレー粉からカレールーを作る方法は知っているし、実は彼氏様の作るカレーはいつも彼氏様オリジ
ナルカレールーを使用したスペシャルだ。だから、目の前のこれが、ただ単にカレー粉を溶かしただ
けのスープに過ぎないと言うのが推察できる。だが…
「そ、その、お前がいつも作ってくれる物には及びつかぬかもしれないが…」
など、絆創膏が一杯貼られた手をもじもじされては何も言えないではないか!
「いんや、あんがとなー」おめさが俺に飯ば作ってくれたもんで嬉しくて固まっつまっただずぅ。
などと本当のところをピンクのオブラートに包んでいけしゃあしゃあと告げたれば、ぱぁと顔を輝か
せた王様は
「それは良かった!沢山作ったからな、沢山食べてくれ!」
とありがたくもおっしゃった。それを聞きさしもの最強彼氏も…一瞬顔をこわばらせた。
さて、そんなカレーなる一夜が明けた次の日……
「あ、おはよう山形」
「おはようさん上越」
美味さぎっしりな東北さんちの奥様と美味しい物ペロリンしちゃう東海道さんちの旦那様は寮の玄関でばったりあった。
東海道さんちの旦那はゴミ袋を持っているが東北さんちの奥さんは手ぶらである。ゴミ出しは旦那様の役なのだ。
そのまま何となく連れ立って歩き出し、途中山形がゴミを捨てるのもなんとなく付き合いながら上越はうんざりしていた。
例え不気味な物体でも一応食料と名のついた物を捨てるのは主義に反するので、昨日は結局どうにか東北作のぷるぷるカレーをどうにかしようと色々手をつくしたが、どうにもならず、鍋一杯ののぷるぷるカレーは手つかずの侭である。アレをどうすれば普通に食べられるレベル出来るのか、考えるだに頭が痛い。
一方、山形の方も憂鬱だった。
結局、あの一杯だけは最強彼氏の全ての力を出して食したが、まだ大鍋一杯に残っているカレー汁をどう始末すれば良い物か。
ヘタに自分が手を入れれば折角の東海道の気遣いを無にしてしまう。いかに東海道の面子を保ちつつ普通に食べられるレベルに引き上げられるのか…
悩む度に胃が重くなる。
どうした物かと悩む二人が同時にため息をつき
「はあ…」
「ふう…」
期せず重なったため息に互いに顔を見合わせた。
「…どうしたね上越」
また東北の奴ばなんぞしおったか?
お気遣いの紳士のお気遣いに
「山形こそ珍しいじゃない」
どうせ東海道の我が儘だろうけど。
ヒネクレ奥様はヒネクレなりに気遣い返し
「別に、大した事じゃないんだけどさ、夕べアイツが作ったカレーがそのぷる…いや、固すぎて…」どうしたものかと…
そう昔なじみの気安さで素直に応えれば、
「ウチは薄すぎてなー東海道ば折角作ってくれたんだどもよー」どうすっかなー
苦笑いしながら、返しそこで……
二人はっと顔を見合わせ気が付いた。
固いカレーと薄いカレー
足して二で割ればちょうど良いのではないだろうか。
「山形…」
「上越…」
見つめ合う二人の間に最早言葉はいらなかった。
その日の夜
「どう?」
「うん美味い」
「いっぱいあるから一杯食べなね」
「うん」
美味そうに己が作ったと思っているカレーを頬張る見た目苦みばしった男前なお子様を前に上越は満更でもない気持ちがして
「ほら、おべんとついてる」
こんなの自分の柄じゃないのにと思いつつもなーんとなく甘い気分に酔いしれる。
ー今日は何だか良い日じゃない。
そう思いながら口元から取ってやったご飯粒をぱくっと自分の口に運ぶ。
それを上目遣いに見ていた旦那様は「…上越」
ごくりと何かを飲み込むとスプーンをそろと皿に戻しその手首を握る。
そしてその手首を引いて未だ濡れたままの妻の指先を己の口に運ぼうとして…
「ストップ」
逆の手で止められた。
「カレー臭くなるのもカレー臭い男もゴメンだよ」
この後は…
「それ全部食べて、ちゃんと歯を磨いてから……」
ね?と小首をかしげてにっこり笑った妻の笑顔にその先にある物に……旦那様は慌てて更に残ったカレーをかき込みましたとさ。
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